蔵書からかなり古いのを再読。
体の弱い母を看病するために家事手伝いをしている20歳のヒロインは、
10歳年上の幼なじみで、下町の貧しい人々のために働く医師に恋をしている。
ある夜、彼の普段の生活が知りたいと、ボランティアの女性にくっついて下町にでかけたヒロインは、
そこで酔っぱらった医学生の集団に捕まり、彼らを引率していた年上のヒーローに
キスを奪われる。
数日後、男性はボランティアの女性からヒロインの身元を聞き出し、
ヒロインの前に現れて、誘惑してくる。
偶然にも、彼はヒロインの父の勤める会社の2代目社長で、
立場を利用して、強引にヒロインにつきまとう。
そして、ヒロインが幼なじみの医師を愛していることを知ると、
猛烈な嫉妬をあらわにする。
そんな日々が続いていたある日、ヒーローが唐突にヒロインにプロポーズする。
ヒロインはにべもなく断るが、父親に会社の金を横領し、それがばれたと告白され、
心臓の弱い母に負担をかけないように、事件を内密にすませるために、
ヒーローとの結婚を承諾する・・・・。
「脅迫結婚もの」の古典です。
ヒロインが非常に若くて社会経験がまったくなく、精神的にも未熟なあたり
時代を感じさせます。
ヒーロー視点のモノローグはないのですが、「嫉妬」の部分が非常によく描かれ、
傲慢ヒーローでありながら、熱愛と苦悩がほのみえて、秀逸です。
この作品が好きな部分でもあります。
とはいえ、ヒロインに平手うちかましたり、結婚後ですが、
レイプまがいの性行為に及んだりと、
今なら考えられない、「いわゆるこれってDV」なエピソードもあります。
(描写は穏やか)
この作品のもう1人のキーパーソンはヒロインの幼なじみの医師です。
非常に人格者でハンサム。
ヒロインに対して非常にストイックで兄のような態度をとり続けますが、
そんな彼もまた実はヒロインを愛し続けて、
自分の仕事にかける使命がゆえに、その気持ちを押し殺して
ヒーローにヒロインをたくしたわけなのですが、
どう考えてもこっちのほうがいい男ですw
と、この本を手にして20年たった今なら言えますw
僻地の医療に身を捧げる貧乏な医師を夫に選ぶかは別としてw
彼の崇高さに比べて、結婚してヒーローとベッドを共にするようになってすぐ
「真実の愛」にめざめてしまうヒロインが薄っぺらく見えてしまうのが
残念です。
熱愛ヒーローではありますが、ヒーロー36歳、ヒロイン20歳、
あきらかに見た目だけで惚れているのも、今どきの感覚だとロリ(ry断定で
微妙にもにょる感じは否めません。
そういう部分も含めての、感慨深い初期ハーレ再読でした。